シーズン目前!2015年ナショナルJRキャンプ:レポート
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2週間前のこと、毎年恒例USナショナル・ジュニアキャンプが米国Colorado Springsにある、あのOTC(オリンピック・トレーニング・センター)にて行われた。参加メンバーは全米から集められた80名+のトップJRスイマーたち。今年のメインテーマである、「Awareness & Achievement (自己認識&達成)」をフォーカスにおき、コーチ陣はJRスイマーに新たな経験・コンセプトの主旨を見せる事に専念した。JRスイマーは新たなコンセプトを基にトレーニングや試合パフォーマンスにおいての自己認識を高め、それぞれの到達点を見つけ出し、達成する事を促された。
この「自己認識と達成」というテーマの主旨は、水泳に直通している物ではないが、生活の様々な面でまだまだ自己形成の最中であるJRスイマーにとっては、このキャンプで得たものは大きいと思う。またコンセプトはキャンプ中を通して様々なトレーニングやプレゼンで反映された。
微々たる変化が大きな結果を呼ぶ:
どんな凄いアスリートでも幾つもの大きな変化を前にすると、目標達成へのプレッシャーとの間で、圧倒されてしまう事があるだろう。大きく立ちはだかる壁には直接体当たりするのではなく、小さめの塊にくだいて少しずつ乗り越えていこう。具体的にいうと、大きな課題がある場合はそれに含まれる細かい課題を見つけ、幾つかの小さめですぐに取りかかれる課題に分けてみるといい。もし「100フリーで1分切りたい!」という課題があるなら、ひたすら全てを100フリーの練習に費やすのではなく、それぞれの弱点を割り出し、細かい課題である「ターンの仕方」ーーー>さらには「宙返り後のひねり」という風に、ピンポイントで抑えてみよう。もっと持続性のあるトレーニングをするという課題であれば、ひたすら泳ぎこむのではなく、日々の練習パフォーマンス=体調管理=栄養・食事といった面で考えてみる事もできる。
常に新しい物を吸収し試してみる柔軟性:
日々続くトレーニングの中でよく目にする落とし穴は、前の課題を達成するためにしてきた事を達成後もそのままやり続けてしまう事だ。大事なのは「まだ使えるものは、使い続ける」という発想ではないのだ。この発想は大抵の場合、スイマーの更なる伸びを抑えてしまう事が多い。次々と新記録を残すアスリートはそれまで行ってきた物や練習方法を脱ぎ去り、次の課題を達成するためにはどんな変化が必要かという事を考えて、新しい事を常にサーチしている。新しい方法が陸トレであったり、ストロークテクニックであったり、スイマーそれぞれが自己認識により課題を4方8方の角度からアナライズ(分析)するという事を今回のJRキャンプでも重点視していた。
自己認識をコーチと話し合い達成へ:
課題を自分で認識するという事は、それだけが大きな課題の様にも思えるかもしれない。けれど、スイマー自身が自分の水中での感覚を敏感に察知し、それをコーチに伝え、話し合った結果での自己認識・課題認識は、
コーチがプールの外から見ている事のみでの課題提示よりも更に具体的で建設的なものにあると思う。まずは泳ぐ自分を感じてみよう。